芦辺拓『探偵と怪人のいるホテル』
- 作者: 芦辺拓
- 出版社/メーカー: 有楽出版社
- 発売日: 2006/08/30
- メディア: 単行本
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最初の2編は《殺人喜劇王》の登場する怪人もので、メタな仕掛けも素晴らしい。「異類五種」「疫病草紙」は珍しい初期作品。「F男爵とE博士のための晩餐会」は来日中のアインシュタインとかの怪物が出会う話、「屋根裏の乱歩者」でも乱歩と「あの監督」を出会わせており、風太郎的な趣向が楽しい。そしてその手のアイデアの究極が最後の短篇「伽羅荘事件」。鮎川哲也と三人のレギュラーキャラを一堂に集めた上、暗号なども鮎川風、そしてラスト3行に爆笑。「かの作品」は是非、このパロディを書いた著者の手で完成させて欲しいものである。(2006/10/10)