日本史上、
女性天皇は8人、10代存在している(2度即位した
天皇が2人いるため)。そのうち古代〜
飛鳥時代に6人・8代が集中している。かつての皇族は決して男尊女卑でもなかったのだ。だが彼女たちが即位した背景、物語は意外に知られていない。
天皇の人間臭い真の姿を物語風に書き記したのが本書である。成立事情(当時は兄弟相続の習慣があったらしい)も含め、古代期の
女性天皇はかなり
有機的に関連付けられていて面白い。
孝謙・
称徳天皇のあと、実に860年もの間、
女性天皇が即位しなかったが、それは后妃をたくさん作っていって子供を多く儲けるようになったため、男系が絶たれることがなかったという、ちょっと笑える事情だったりする。
明正天皇の即位は、
天皇家と徳川家の政略がぶつかり合った結果だというのも面白かった。