山本一力・縄田一男・児玉清『ぼくらが惚れた時代小説』

ぼくらが惚れた時代小説 (朝日新書 23)

ぼくらが惚れた時代小説 (朝日新書 23)

時代小説が大好きな三人の識者(うち一人はプロの時代小説家だ)が、時代小説の魅力を語り倒した鼎談。吉川・司馬・池波・藤沢などの国民的作家から、最近の人気作家までフォローされている(が、現在の書店業界で最大の稼ぎ頭・佐伯泰英については、少し触れられているのみだ)。作家別に、その特徴と代表作について語る形式で進行しており、豊富な資料と知識を次々に披露する縄田一男に対し、作家にまつわるエピソードや読んだ頃の思い出話で盛り上がる山本&児玉、という図式が面白い。そしてやっぱり、山田風太郎は天才だと認識した(って、そこばかり印象に残る自分もどうかと思うが)。
山本一力池波正太郎の万年筆を未亡人から貰った話などを披露していて、凄いなあ、とか思う。あと、児玉清が出演していたドラマ「ありがとう」って、平岩弓枝の脚本だったんですね、知りませんでした。