有川浩『クジラの彼』

クジラの彼

クジラの彼

一言で言えば、自衛官たちの恋愛小説集。それも超ベタベタで甘い恋愛小説だ。
レインツリーの国』もベタだったが、逆に言えばこの作者の場合、変に捻らないストレートな小説の方が似合っているかも知れない。どれも普通に感情移入出来るし。
有川浩ファンには、『空の中』や『海の底』の登場人物たちの後日談が楽しめるので必読だろう。とりわけ表題作の、冬原の恋人・聡子の切なさといったら!