柄刀一『時を巡る肖像 絵画修復士御倉瞬介の推理』

時を巡る肖像

時を巡る肖像

絵画をモチーフにしたミステリ短編集。柄刀らしい機械的なトリックも各作品に出てくるが、それ以上に「動機」に主眼が置かれているように感じた。芸術家の感覚・意識は、一般人には理解できない世界なのだろう、それを暗に示しているかのようだ。その点では、個人的には「『金蓉』の前の二人」が特に良かったと思う。