リチャード・ドーキンス『神は妄想である』
- 作者: リチャード・ドーキンス,垂水雄二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/05/25
- メディア: 単行本
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「イスラムは平和」というマントラ(お経)はほとんど1400年時代遅れのものになってしまった。イスラムが平和で、平和でしかなかった時代はたった13年間だけだった。
(450ページ)
『旧約聖書』の神は、おそらくまちがいなく、あらゆるフィクションのなかでもっとも不愉快な登場人物である。嫉妬深くて、そのことを自慢にしている。けちくさく、不当で、容赦のない支配魔。執念深く、血に飢え、民族浄化をおこなった人間。女嫌い、ホモ嫌い、人種差別主義者、幼児殺し、大虐殺者、実子殺し、悪疫を引き起こし、誇大妄想で、サドマゾ趣味で、気まぐれな悪さをいるいじめっ子だ。
(51ページ)
作中には数多くの引用があり、読んでいくにつれて知的好奇心もくすぐる。宗教の是非論も考えさせるが、読み物としても面白い。P.G.ウッドハウスの小説に、聖書からの引喩がいかに多く織り込まれているかが書かれていて興味深かった。彼によるとウッドハウスは「イギリスにおける軽喜劇の最高の書き手」だそうだ。