小谷野敦『日本の有名一族』

日本の有名一族―近代エスタブリッシュメントの系図集 (幻冬舎新書)

政界、文学界、学会、そして古典芸能に至るまで、著名な一族の系図を分かりやすくまとめた一冊。もともと系図好きなので、こういう本は大好きだ。肩書きなども簡潔に書かれていて、知識にもなる。
有名な大久保利通=吉田茂=麻生太郎、のような有名な例も多いが、犬養毅と奥田瑛二が繋がっていたり（犬養毅の息子・犬養健の愛人の娘が奥田夫人の安藤和津）、森鴎外と星新一が遠縁にあたったり（森鴎外の妹・小金井喜美子の孫が星新一）など、一般的に広くは知られていない血縁関係もあって新鮮である。一番驚いたのは、梨園の坂田藤十郎一族が（ものすごく遠いものの）山村美紗=山村紅葉と繋がっていたこと。最後に林家三平・春風亭小朝の系図があって、さすがに泰葉との離婚までは予測できなかったよなあ、と笑ってしまった。