浅野一哉・飯田和敏・米光一成『恋愛小説ふいんき語り』

恋愛小説ふいんき語り

恋愛小説ふいんき語り

吉屋信子少女小説から、ケータイ小説『恋空』まで、女性によって書かれた恋愛小説20作品をゲーム作家三人がメッタ斬りにした一冊。『ベストセラー本ゲーム化会議』から始まる一連の「ゲーム化会議」シリーズなので、一応ゲーム化案が出てくるが、もうほとんど最後のオマケ程度のものになっており、メインはそれぞれの恋愛小説を三人がどう読んだか、の議論にある。三人とも同じ感想を持つのではなく、二人は絶賛だけど一人は駄目だったとか、意見が分かれることが多く、話し合いを通して印象が変わったりすることもあるから面白い。サイトでの感想は個人個人の一方的な意見が投げられるだけのことが多いが、本書では、小説について「議論をすること」の有効性が伺える。
あと、こさささこによる「一ページあらすじ漫画」がどれも傑作! 読んだ気になれる。