久保寺健彦『ブラック・ジャック・キッド』

ブラック・ジャック・キッド

ブラック・ジャック・キッド

本作で「ファンタジーノベル大賞」の優秀賞を、そして『みなさん、さようなら』で第一回目の「パピルス新人賞」を受賞した注目作家。
手塚治虫が創造した天才外科医「ブラック・ジャック」になりきり、髪形を変え、マントを羽織る主人公。あだ名は「アッチョン」。ピノコの印象的な台詞が由来だ。小学校4〜6年にかけて、友達との日々、性への目覚め、そして初恋を描く。
私と同世代の作家なので、共感する部分が多い。自らの子どもの頃をイメージして書いた「郷愁小説」と言えるだろう。短いエピローグが効いている。