重松清『カシオペアの丘で』

カシオペアの丘で(上)

カシオペアの丘で(上)

カシオペアの丘で(下)

カシオペアの丘で(下)

本屋大賞ノミネート作品。
重松清らしい「泣き」の小説。端的に言えば、ガンになった人が死ぬまでの話だが、4人の主要登場人物(幼馴染み)の関係性や、過疎になった町の歴史的背景(炭鉱事故、観音像のエピソードなど)などが巧く書き込まれており、深みが生まれている。
ツボにはまると号泣してしまいそうだが、私は泣けなかった。泣かそうとする計算が見え隠れしているからだろうか。


本屋大賞ノミネート作品は、あと『有頂天家族』を残すのみである。