前田高行『アラブの大富豪』
- 作者: 前田高行
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/02
- メディア: 新書
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凄い(酷いとも言う)のはUAEで、ドバイにはヤシの木を模した形のリゾート地や、世界地図を再現させようとしている何百の島からなる埋立地も開発中だ。アブダビにはルーブル美術館の分館があるが、フランスの反対運動を押し切って、大金を積んで「ルーブル」の名前と美術品を購入している。要はお金が有り余っているのだ。サウジアラビアの王子は超高層ビルを持ちながら、世界のマーケットを舞台に投資活動に余念がない。まさにバブル絶頂期の日本を思わせるが、それ以上のレベルだ。油の埋蔵量は有限だし、かつての炭鉱の町がエネルギー転換によって苦しんだように(夕張がいい例だ)、いずれ大変な事態が待ち受けているような気がするが、現時点では全く心配していないらしい。
結局のところ「羨ましいことよのう」という感想しか残らない。