乾くるみ『クラリネット症候群』

クラリネット症候群 (徳間文庫)

クラリネット症候群 (徳間文庫)

かつて「徳間デュアル文庫」で出ていた「マリオネット症候群」に、書き下ろしの表題作を加えた中編集。『マリオネット症候群」は再読だが、やはり面白い。ユニークな設定と、どんどん変な方向に進んでいくSFミステリだ。新作「クラリネット症候群」も、よくもこんな変な設定思いつくなあ、と半分呆れるプロットだ。基本は暗号小説だが、これも何重にも仕掛けられていて飽きさせない。メインの話とは無関係だが、江戸川乱歩二銭銅貨」を読むのに『13の暗号』を手にするなんて、どれほどマニアックなネタなんだよ。