「Story Seller」

Story Seller (ストーリーセラー) 2008年 05月号 [雑誌]

Story Seller (ストーリーセラー) 2008年 05月号 [雑誌]

読み応えのある中篇を集めた雑誌。編集は全て一人の手でなされたそうで、独特のカラーが出ている(執筆陣など)。
個人的に一番驚いたのは、米澤穂信「玉野五十鈴の誉れ」。物語世界に引き込まれたのと同時に、ラストに衝撃を受けた。これは連作の4作目だそうで(他の作品は存じ上げませんでした。すみません)、単行本化が楽しみである。
いつものベタ甘世界に感動路線が加わった有川浩「ストーリー・セラー」、男女二人の視点から描かれた青春小説の後にさらに驚きが待っている道尾秀介「光の箱」、『サクリファイス』の石尾と赤城のサイドストーリーである近藤史恵プロトンの中の孤独」、いつもの世界観で安心して読める伊坂幸太郎「首折り男の周辺」、読後感のいい青春小説の本多孝好「ここじゃない場所」、ミステリでありながらミステリを放棄した(それもまた「いかにも」な感じ)佐藤友哉「333のテッペン」の計7作品。どれも面白い。