講談社の「100冊書下ろし」と、かつての「推理特別書下ろし」

今日(8月24日)の朝日新聞朝刊、講談社の全面広告が掲載されていました。正月の広告でも予告されていた、創業100周年記念の書下ろし100冊の発表でした。2008年11月から、二年間かけて、100人の作家による書下ろし作品を出す、というものです。

具体的な作家名は、こちらを見ていただくとしましょう(手抜きですみません)。
http://d.hatena.ne.jp/CAX/20080824/kakioroshi100_kodansha


ただ、個人的には、楽しみな反面、あまり「わくわくしない」気がします。別に作家名を予告しなくても、書下ろしで出すものは全部「100周年記念書下ろし」にすればいいのでは、とも思います。予告しておきながら書けなかった場合が大変でしょうし。


ところで講談社は、かつても「推理特別書下ろし」と銘打った叢書シリーズを出していました。こっちの方が今回よりも遥かに「わくわくした」覚えがあります。ミステリの書下ろしといえばまだ「ノベルス」がメインだった時代でした。
一部持っている本もあるので調べようとしたのですが、押入れの奥にあってすぐには見つけられませんでした。ネットで調べると、なんとなんと、きちんとデータベースにされていたページがありました。こういうの、大事ですね。
http://www.inv.co.jp/~baba/book/list/kodansha.html
第一期が1986年から刊行、そして第三期は「創業80周年記念」だったんですね。
そして改めて、レベルの高さに唸ります。とりわけ第一期は、岡嶋二人『そして扉が閉ざされた』志水辰夫『オンリィ・イエスタデイ』の同時刊行が凄い。私も両方買いました。その次が島田荘司『異邦の騎士』笠井潔『復讐の白き荒野』が同時刊行。次が船戸与一『伝説なき地』上下巻。そして最後に連城三紀彦『黄昏のベルリン』で締める。いやー、もうお腹一杯です。
さらに第二期には東野圭吾『眠りの森』があったり、第三期には泡坂妻夫『毒薬の輪舞』、島田荘司暗闇坂の人喰いの木』、東野圭吾『変身』など。もうこんなレベルの高いシリーズ、出ないかも知れませんね。