香納諒一『血の冠』

祥伝社さんからお薦めということでいただいた本です。ありがとうございます!

血の冠

血の冠

弘前を舞台にした殺人は、頭蓋骨を刳り抜かれて脳みそに無数の釘が打たれた猟奇的なものだった。26年前、「キング」という名の殺人鬼が起こした事件に酷似していた。当時の事件の「被害者」でもあった弘前署の内勤警官・小松一郎がこの殺人の捜査に参加させられる。警視庁から幼馴染みの風間の要請によるものだった。
地方刑事と警視庁刑事との確執、内勤警官という微妙なポジションなど、刑事たちの描写はリアルであり、読み応えがある。残忍な殺人が描かれ、謎解きがメインになると思われたが、その部分ではちょっと物足りなかった。ありがちなネタに陥っているような気がした。