桜庭一樹『書店はタイムマシーン』

書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記

書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記

赤朽葉家の伝説』で推理作家協会賞を受賞してから、『私の男』直木賞を受賞するまでの一年間の読書日記。前作に続いて筆致も楽しく、作家の創作の秘密の一端が伺えると同時に、たくさん本が読みたくなる。
直木賞受賞時の記者会見について書かれたこんな文章に、ものすごいセンスを感じる。

こんな数のカメラが、つぎに向けられる日がくるとしたら、人を殺した時だろう、とふと思う。

あと、あとがきにさり気なくすごいことが書かれている。『赤朽葉家』の構想は、編集のK島氏にいきなり決められて、一晩でタイトルまで考えたというのだ。すごいにもほどがある。