鯨統一郎『マグレと紅白歌合戦』

謡曲の見立て殺人を看破する「歌う迷刑事」間暮の事件簿、第三弾はまさかの長編! 世の中から「歌」を撲滅させようとする秘密結社対マグレの対決は、大晦日の「紅白歌合戦」が会場となった。そこで歌われる曲の歌詞こそが、日本中で起こった奇怪な連続殺人の見立てになっていたのだ!
ここまでくると見事としか言いようがない。冷静に考えてはいけない作品だ。「よくもここまでやったもんだ」と純粋に感心すべし。私はなんだかんだ言いながら、鯨統一郎のファンだったのかも知れないと、今更ながらに思い至った。