福岡伸一『世界は分けてもわからない』

世界は分けてもわからない (講談社現代新書)

世界は分けてもわからない (講談社現代新書)

講談社現代新書2000番突破記念の、その2000番というキリ番をゲットした作品。
前作『生物と無生物のあいだ』同様、文学的なレトリックで科学の難解な領域にまで読者を誘い込む傑作。
「おおよそ世の中の人間の性向は、マップラバーとマップヘイターに二分類することができる」という魅力的な書き出しで始まる第4章から第6章あたりの展開が個人的には最も面白かった。著者は恐らく、臓器移植には否定的な見方を持っていると思われるが、その理由を窺い知ることができる。