石持浅海『まっすぐ進め』

まっすぐ進め

まっすぐ進め

ミステリとしては物足りなさが残る。推測の域を出ないままの短編もある。
しかし、本書は別のところに主眼が置かれている。事件を通して、二組のカップルに変化が生まれていくのだ。まるで謎解きが、男女の距離を縮めていく触媒でもあるかのように。
そう、これは恋愛小説なのだ。個人的には大感動した作品である。