夏の文庫フェア小冊子の「繋がりリスト」2009年版

夏の文庫フェア小冊子に書かれている「次はこれを読め」なガイダンスを、全部調べてみたら繋がるのか、を去年調べたことを憶えているでしょうか(id:mmmichy:20080708)。
今年も忘れてませんよ。でもちょっと時間がなくてなかなか出来ませんでした。どうせ去年と似たり寄ったりだろう、と高を括っていたんですね。調べてみると、意外と変わってました。
そんなわけで、紹介します。


・角川文庫 夏の100冊「次に読む本を発見。」繋がり

・ループA
銀河鉄道の夜宮沢賢治
→『注文の多い料理店宮沢賢治
→『ちくはぐな部品』星新一
→『日本以外全部沈没筒井康隆
→『ドミノ』恩田陸
→『ユージニア』恩田陸
→『螺鈿迷宮』海堂尊
→『症例A』多島斗志之
→『水の時計』初野晴
→『空の中』有川浩
→『海の底』有川浩
→『スイッチを押すとき』山田悠介
→『ライヴ』山田悠介
→『パズル』山田悠介
→『今夜は眠れない』宮部みゆき
→『夢にも思わない』宮部みゆき
→『青の炎』貴志祐介
→『さまよう刃東野圭吾
→『殺人の門』東野圭吾
→『GOTH』乙一
→『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ滝本竜彦
→『涼宮ハルヒの憂鬱谷川流
→『生徒会の一存葵せきな
→『狼と香辛料支倉凍砂
→『“文学少女”と死にたがりの道化野村美月
→『心霊探偵八雲1』神永学
→『夜市』恒川光太郎
→『ゆめつげ』畠中恵
→『三日月が円くなるまで』宇江佐真理
→『新撰組血風録』司馬遼太郎
→『或る「小倉日記」伝』松本清張
→『新編 悪魔の飽食森村誠一
→『海と毒薬』遠藤周作
→『不道徳教育講座』三島由紀夫
→『書を捨てよ、町へ出よう』寺山修司
→『ドグラ・マグラ夢野久作
→『こゝろ夏目漱石
→『変身』カフカ
→『恐るべき子供たちコクトー
→『七つの人形の恋物語ポール・ギャリコ
→『ペギー・スー』セルジュ・ブリュソロ
→『海底二万海里ジュール・ヴェルヌ
→『アルケミストパウロ・コエーリョ
→『ベロニカは死ぬことにした』パウロ・コエーリョ
→『銀河鉄道の夜宮沢賢治


・ループB
夜は短し歩けよ乙女森見登美彦
→『四畳半神話大系森見登美彦
→『旅人』湯川秀樹
→『数学物語』矢野健太郎
→『知っておきたい日本の神様』武光誠
→『知っておきたい日本の名字と家紋』武光誠
→『日本の古典 古事記
→『日本の古典 おくのほそ道』松尾芭蕉
→『羅生門・鼻・芋粥芥川龍之介
→『人間失格太宰治
→『走れメロス太宰治
→『青春の逆説』織田作之助
→『坊っちゃん夏目漱石
→『道三掘のさくら』山本一力
→『霧笛荘夜話』浅田次郎
→『みぞれ』重松清
→『約束』石田衣良
→『偶然の祝福』小川洋子
→『月魚』三浦しをん
→『落下する夕方江國香織
→『ジョゼと虎と魚たち田辺聖子
→『恋愛中毒』山本文緒
→『私という運命について白石一文
→『青年社長』高杉良
→『巨大投資銀行』黒木亮
→『眠たい奴ら』大沢在昌
→『グラスホッパー伊坂幸太郎
→『償いの椅子』沢木冬吾
→『罪と罰ドストエフスキー
→『蟹工船・党生活者』小林多喜二
→『母』三浦綾子
→『氷点』三浦綾子
→『二十四の瞳壺井栄
→『兎の眼灰谷健次郎
→『クローズド・ノート雫井脩介
→『リズム』森絵都
→『DIVE!!』森絵都
→『ウォーター・ボーイズ』矢口史靖
→『レヴォリューションNo.3』金城一紀
→『GO』金城一紀
→『夏のこどもたち』川島誠
→『きみが見つける物語 スクール篇』
→『きみが見つける物語 休日篇』
→『氷菓米澤穂信
→『時をかける少女筒井康隆
→『夜は短し歩けよ乙女森見登美彦


・ループC
『サウスバウンド』奥田英朗
→『ぼくは悪党になりたい』笹生陽子
→『サッカーボーイズ』はらだみずき
→『バッテリー』あさのあつこ
→『サウスバウンド』奥田英


・ループD
『覘き小平次京極夏彦
→『怪談・奇談』ラフカディオ・ハーン
→『霧が晴れた時』小松左京
→『覘き小平次京極夏彦


・ループE
ベルナのしっぽ』郡司ななえ
→『嘘つきアーニャの真っ赤な真実米原万里
→『少女パレアナ』エレナ・ポーター
→『ベルナのしっぽ』郡司ななえ

昨年は6つのループでしたが、今年は5つのループになりました。しかし、主に2つのループが大きなもので、あとの3つは「余ったものを寄せ集めただけ」な感じになってしまってます。折角なら大ループに入れ込めばよかったのに、と残念な気がします。繋がり方も昨年のような驚きが少なく、物足りない出来でした。


集英社文庫ナツイチ「この本にはまったら次はコレ」繋がり

・ループA
『王妃の館』浅田次郎
→『漫画版日本の歴史1』岡村道
→『わたしの源氏物語瀬戸内寂聴
→『肩ごしの恋人唯川恵
→『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』江國香織
→『ZOO』乙一
→『光の帝国』恩田陸
→『エンド・ゲーム』恩田陸
→『バスジャック』三崎亜記
→『マイナス・ゼロ』広瀬正
→『蒲公英草紙』恩田陸
→『無伴奏小池真理子
→『こころ』夏目漱石
→『生まれ出づる悩み』有島武郎
→『地獄変芥川龍之介
→『堕落論坂口安吾
→『東京物語奥田英朗
→『笑う招き猫』山本幸久
→『犬のしっぽを撫でながら』小川洋子
→『さよならバースデイ』荻原浩
→『漂泊の牙』熊谷達也
→『シートン動物記 狼王ロボ』シートン
→『星の王子さまサン・テグジュペリ
→『二十億光年の孤独』谷川俊太郎
→『はるがいったら』飛鳥井千砂
→『夜の朝顔豊島ミホ
→『子供の領分吉行淳之介
→『いちご同盟三田誠広
→『君に届け下川香苗
→『翼はいつまでも』川上健一
→『空をつかむまで』関口尚
→『僕は運動おんち』枡野浩一
→『永遠の出口』森絵都
→『まる子だったさくらももこ
→『岳物語椎名誠
→『続・岳物語椎名誠
→『東京バンドワゴン小路幸也
→『シー・ラヴズ・ユー』小路幸也
→『日はまた昇るヘミングウェイ
→『雷神の筒』山本兼一
→『荒野へ』ジョナ・クラカワー
→『オーパ!』開高健
→『船乗りクプクプの冒険』北杜夫
→『となり町戦争』三崎亜記
『そうだったのか!現代史』池上彰
→『もものかんづめさくらももこ
→『桜さがし』柴田よしき
『夏と花火と私の死体』乙一
→『エンジェル』石田衣良
→『グリーンライン赤川次郎
→『終末のフール』伊坂幸太郎
→『MOMENT』本多孝好
→『それでもやっぱり がんばらない』鎌田實
→『コンビニ・ララバイ』池永陽
→『おれは非情勤』東野圭吾
→『トーキョー国盗り物語林真理子
→『年下の女友だち』林真理子
→『男をトリコにする恋セオリー39』蝶々・伊東明
→『姉の結婚群ようこ
→『彼女の嫌いな彼女』唯川恵
→『幻夜東野圭吾
→『悪党たちは千里を走る』貫井徳郎
→『白夜行東野圭吾
→『地下鉄の雨』宮部みゆき
→『蜂蜜色の瞳』村山由佳
→『バスルームから気合いを込めて』J・イヴァノヴィッチ
→『焚火の終わり』宮本輝
→『在日』姜尚中
『そうだったのか!現代史』池上彰


・ループB
『漫画版世界の歴史1』本村凌二
→『ローマから日本が見える』塩野七生
→『走れメロス太宰治
『王妃の離婚』佐藤賢一
→『こちら救命センター』浜辺祐一
→『救命センター当直日誌』浜辺祐一
→『精神科ER』備瀬哲弘
→『天使の卵村山由佳
→『プリズムの夏』関口尚
→『蛇にピアス金原ひとみ
→『娼年石田衣良
→『漢方小説』中島たい子
→『「心の掃除」の上手い人下手な人』斎藤茂太
→『人間失格太宰治
→『オテル モル』栗田有起
→『スローグッドバイ』石田衣良
→『初恋温泉』吉田修一
→『ベーコン』井上荒野
→『父親』遠藤周作
→『あふれた愛』天童荒太
→『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ
→『イチローイズム』石田雄太
→『幕末遊撃隊』池波正太郎
→『水滸伝北方謙三
『夏と花火と私の死体』乙一


・ループC(枝分かれ)
『そうだったのか!日本現代史』池上彰
→『落下流水』山本文緒
→『ジェイン・エアシャーロット・ブロンテ
→『十五少年漂流記ジュール・ヴェルヌ
→『蠅の王』ウィリアム・ゴールディング
『王妃の結婚』佐藤賢一

昨年は全てを繋げてましたが、今年は3つに分割されていました。しかし、完全な環にはなってないんですね。太字・イタリックで表記していますが、別のループにリンクしていたり、途中のものと繋がっていたりします。
今年の集英社文庫は繋がり方が素晴らしいです! 去年は面白味がなくて不満を漏らしましたが、ものすごい改善振りです。小路幸也ヘミングウェイの繋がりとか、『そうだったのか!現代史』の次がさくらももこ、という辺りにセンスを感じます。