原宏一『へんてこ隣人図鑑』
- 作者: 原宏一
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/07/25
- メディア: 文庫
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例えば、こんな話。
・外を歩いていると、道をきかれる。駅のホームでは、電車がいつ来るのかきかれる。みんながみんな自分にきいてきて大騒ぎになる……「きかれる男」
・靴をなるべく擦り減らさないように歩く人たちが入っている「委員会」……「へらず靴委員会」
・洗剤に書かれている「30〜40度のぬるま湯」が、何度なのか悩む。「大さじ2〜3杯」に、「鈍器のようなもの」に、「犯人はわけのわからないことを〜〜」に悩む新婚主婦……「わからん新婦」
・新しい建築物があると、そこにはそれ以前に何があったのかが気になって仕方がない……「それ以前」
・免許の更新に来たのに、名前を呼ばれないまま待ち続けること20年……「待つ男」
他にも「ホムリエ」、「ドアポケットの老人」、「怒られクラブ」など、どれもこれもが妙で面白い。ラストの「百年モグラ」ではメタ趣向もある。