米澤穂信『追想五断章』

追想五断章

追想五断章

傑作だ。青春を脱した米澤穂信が新たな一歩を踏み出した作品だと思う。
ある程度推測できる展開なので、大きなサプライズはないかも知れないが、これを実際にやることは至難の業だったのではないかと思う。丹念に、そして精緻に練られたリドルストーリーの素晴らしさは、それだけで高く評価したい。
そして結末で襲い掛かる重さは、いつも以上に磨きがかかっているようだ。感動した。