鳥居みゆき『夜にはずっと深い夜を』

夜にはずっと深い夜を

夜にはずっと深い夜を

「タレントが余技として書いた小説」が氾濫気味の今、決定版が出たのではないか。
既に評判が高い作品だったので期待して読んだが、それ以上に強いインパクトを受けた。まだ荒削りな部分もあって、凄い時とそうでない時のギャップが大きいことが欠点とも言えるのだが、詩的センスが感動的に素晴らしいし、作品同士のリンクも絶妙。天然なのか完全に計算しているのかすらよく分からないのもある意味魅力的。タレント本として色眼鏡で見る前に、騙されたと思って読んでみて欲しい。