本多孝好『WILL』

WILL

WILL

『MOMENT』の7年後の設定。両親の突然の死によって葬儀屋を継いだ森野が出会う「幽霊譚」。といってもミステリ色は薄めで、遺された人々の物語が描かれる。結局、人の死が一番大きなドラマを生むのだということを実感する。
ラストのラストで、ほんの些細なことだが、効果的なサプライズがある。本書のタイトルも含めて、深い余韻に浸れることだろう。