津田大介『Twitter社会論』

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)

Twitterで実況中継することを指す「tsudaる」の語源になった人のTwitter本。今までは、どちらかというと「Twitterマニュアル」か「ビジネス(=金儲け)に利用するノウハウ」が書かれている本ばかり出ていたが、本書は「Twitterが社会をうごかしつつある」ことを実例を交えて紹介しており、最も「Twitterの力」を感じさせる本である。ビジネス利用例もいくつか紹介されているが、ほとんど既知の情報であり、そういう意味では、目立つ成功例はまだ数えるほどしかないのかも知れない。むしろ、Twitterが世論を動かし、政治にまで影響を与えられるという期待が書かれている。

これまで同時に数百万人に情報を与えることができるメディアというと、テレビかラジオくらいしかなかったが、ツイッターはインターネットにおいて初めて「電波」に匹敵する伝播力を持つメディアに成長しつつある。(35ページ)