菊池嘉晃『北朝鮮帰国事業』
北朝鮮帰国事業 - 「壮大な拉致」か「追放」か (中公新書)
- 作者: 菊池嘉晃
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/11/26
- メディア: 新書
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帰国者らに「悲劇」をもたらしたのは、帰国事業そのものというより、帰国運動による宣伝で伝えられた北朝鮮の姿と、現実の姿とが、あまりにも異なっていたからである。(略)これを帰国者の自己責任とはいえない。帰国決断の決定的な同期となったプル要因が虚構だったことこそが問題であった。
戦後最大の暗部である「帰国事業」の歴史と背景を総括した一冊。恥ずかしながらこういうことがあったとことすら知らなかったので、教えてくれただけでも意義深かった。本書の結論とはまた違った意見や視点もあるそうなので、追って調べてみたいと思った。