川上未映子『ヘヴン』

ヘヴン

ヘヴン

来年の「本屋大賞」にノミネートされるに違いないと判断して購入。すぐに読んだ。
中学生の苛めがメインで描かれており、なかなか辛いものがある。(ただ、具体的な苛めの内容にはあまりリアリティを感じなかった)。
ラスト、くじら公園でのコジマのシーンは、痛々しくて辛いが、同時に神々しさも感じる。
その少し前、病院での僕と百瀬の会話が、強く印象に残る。みんな大なり小なり、百瀬のような価値観を持っているのではないか、と思う。
ラストシーンは、ハッピーエンドなのだろうか、それとも違うのか、よく分からない。
好きな小説ではないが、読む意義のある小説だった。誰もが絶賛するのも納得である。
私は推さないけれど。