森雅裕『高砂コンビニ奮闘記』

高砂コンビニ奮闘記 -悪衣悪食を恥じず-

高砂コンビニ奮闘記 -悪衣悪食を恥じず-

モーツァルトは子守唄を歌わない』で江戸川乱歩賞を受賞(ちなみにこの年、同時受賞したのが『放課後』の東野圭吾である)したが、キャリア20年にして業界から完全に干されてしまった著者が行き着いたのは、閉店間近のさびれたコンビニの深夜バイトだった!
コンビニでの悲喜こもごもが描かれているが、やはり作家だけあって面白い。かなり細かいことまで書かれているので、深夜コンビニも結構大変な仕事だなあというのが良く分かるし、お客さんとのトラブルやクレームなど、同じ接客業をやっている者として、非常に共感できる。
森雅裕ファンにとっては、最終章などは涙なしに読めないだろう。