『こんなに違う!世界の国語教科書』『編集者の仕事』
こんなに違う!世界の国語教科書 (メディアファクトリー新書)
- 作者: 二宮皓
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/06/29
- メディア: 新書
- 購入: 3人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
教科書の違いだけでなく、国語教育の概念の違いまで触れられており、興味深い。
民族叙事詩「カレワラ」を何度も読ませるフィンランド、小学4年でトルストイの原文を読ませるロシア、日本ではほとんど忘れ去られた作家・木山捷平の作品を載せる中国が特に面白かった。
- 作者: 柴田光滋
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/06/01
- メディア: 新書
- 購入: 2人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
当たり前のことだが、作家の小説を読んで間違いを直す、だけが編集ではないことがよく分かる。版形はどうするか、活字はどれを使うか、紙の質は、色は、表紙、帯、スピン(しおり紐)は……編集者の仕事は細部にまで及ぶ。
こういうのを読むと、かつてオフ会の席上で津原泰水さんに「日本の製本技術は世界一だ」と言われたことを思い出す。
電子書籍の話ばかりが盛り上がる昨今だが、活字の本でなければならないこと、活字でなければ出来ないことがあるような気がする。
最も印象的な一文を引用する。
まことに書きにくい話なのですが、触れざるをえないことがあります。校正は収益に直結しない仕事のため、そこにあまり経費をかけない出版社が少なくありません。事情はわかりますが、出版文化を考えると、これはいささか残念なことです。
(90ページ)
自分が携わった本の話だけでなく、出版文化全体を見据えた発言として共感した。