夏の文庫フェア「繋がりリスト」2010年版

お待たせしました(って、待ってた方いらっしゃいます?)。
夏の文庫フェアの小冊子にある「次にこれを読め」な「繋がりリスト」、今年のをずんずん調査しました。
今年も角川文庫「発見!角川文庫2010」と、集英社文庫「ナツイチ2010」の2社を調査。新潮文庫は今年も繋がり提案はありませんでした。
そして今年はなんと、2社とも繋がりが一つの輪に収まってました! もしや、調査されることを意識しているとか(なわけないよね)。
では、まずは角川文庫です。

「発見!角川文庫2010」次に読む本を発見!繋がり


『絵のない絵本』アンデルセン
→『気まぐれロボット』星新一
→『時をかける少女筒井康隆
→『葡萄が目にしみる』林真理子
→『伊豆の踊子川端康成
→『きみが見つける物語 恋愛編』
→『どきどきフェノメノン森博嗣
→『源氏物語
→『万葉集
→『古事記
→『数学物語』矢野健太郎
→『遠野物語柳田国男
→『つくもがみ貸します』畠中恵
→『ゆめつげ』畠中恵
→『僕と先輩のマジカル・ライフ』はやみねかおる
→『心霊探偵八雲神永学
→『心霊探偵八雲 SECRET FILES 絆』神永学
→『三毛猫ホームズの推理赤川次郎
→『グラスホッパー伊坂幸太郎
→『コンダクター』神永学
→『天使と悪魔』ダン・ブラウン
→『ドグラ・マグラ夢野久作
→『変身』フランツ・カフカ
→『フライ,ダディ,フライ金城一紀
→『レヴォリューションNo.3』金城一紀
→『グミ・チョコレート・パイン グミ編』大槻ケンヂ
→『NHKにようこそ!』滝本竜彦
→『サマーウォーズ岩井恭平
→『今夜は眠れない』宮部みゆき
→『夢にも思わない』宮部みゆき
→『氷菓米澤穂信
→『空の中』有川浩
→『海の底』有川浩
→『クジラの彼』有川浩
→『絶対泣かない』山本文緒
→『ロマンス小説の七日間』三浦しをん
→『夜は短し歩けよ乙女森見登美彦
→『鴨川ホルモー万城目学
→『きみが見つける物語 友情編』
→『楽園のつくりかた』笹生陽子
→『きみが見つける物語 スクール編』
→『夏のこどもたち』川島誠
→『きみが見つける物語 放課後編』
→『バッテリー』あさのあつこ
→『サッカーボーイズ』はらだみずき
→『きみが見つける物語 休日編』
→『ウォーターボーイズ矢口史靖
→『800』川島誠
→『モーターサイクル・ダイアリーズエルネスト・チェ・ゲバラ
→『サウスバウンド』奥田英朗
→『疾走』重松清
→『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない桜庭一樹
→『温室デイズ』瀬尾まいこ
→『つきのふね』森絵都
→『アーモンド入りチョコレートのワルツ』森絵都
→『少女パレアナ』エレナ・ポーター
→『最後の一葉』オー・ヘンリー
→『ベルナのしっぽ』郡司ななえ
→『動物記』新堂冬樹
→『不思議の国のアリスルイス・キャロル
→『十五少年漂流記ジュール・ヴェルヌ
→『アルケミストパウロ・コエーリョ
→『銀河鉄道の夜宮沢賢治
→『銀の匙中勘助
→『車輪の下に』ヘルマン・ヘッセ
→『雷の季節の終わりに』恒川光太郎
→『リング』鈴木光司
→『8.1 Horror Land』山田悠介
→『8.1 Game Land』山田悠介
→『ライヴ』山田悠介
→『ブレーキ』山田悠介
→『オール』山田悠介
→『スピン』山田悠介
→『青の炎』貴志祐介
→『さまよう刃東野圭吾
→『殺人の門』東野圭吾
→『使命と魂のリミット』東野圭吾
→『螺鈿迷宮』海堂尊
→『悪魔の飽食森村誠一
→『海と毒薬』遠藤周作
→『羅生門・鼻・芋粥芥川龍之介
→『こヾろ』夏目漱石
→『人間失格太宰治
→『書を捨てよ、町へ出よう』寺山修司
→『ポケットに名言を』寺山修司
→『疲れすぎて眠れぬ夜のために』内田樹
→『不道徳教育講座』三島由紀夫
→『麻雀放浪記 青春編』阿佐田哲也
→『トーキョー・プリズン』柳広司
→『閃光』永瀬隼介
→『ユージニア』恩田陸
→『世界の終わり、あるいは始まり』歌野晶午
→『恐るべき子供たちジャン・コクトー
→『電池が切れるまで』すずらんの会
→『二十四の瞳壷井栄
→『兎の眼灰谷健次郎
→『坊っちゃん夏目漱石
→『5年3組リョウタ組』石田衣良
→『美丘』石田衣良
→『約束』石田衣良
→『ピンク・バス』角田光代
→『パイロットフィッシュ』大崎善生
→『クローズド・ノート雫井脩介
→『いちばん初めにあった海』加納朋子
→『失はれる物語』乙一
→『絵のない絵本』アンデルセン

ドグラ・マグラ』→『変身』の流れとか、モリミーの次がマキメ、とか、『人間失格』の次が寺山修司で、続いて内田樹三島由紀夫ときて、『麻雀放浪記』に流れる、あたりにかなりのセンスを感じました。
が、全体的に「同じ作家を続ける」傾向が見られるのが残念。山田悠介の6連発はなんとかならんかったんでしょうか(というか、山田悠介を6作品も入れるのはどうかと思う)。
『きみが見つける物語』シリーズを続けなかったのは評価ポイントです。ワンクッション置いているだけとも言えますが……。



続いて、集英社文庫

集英社文庫ナツイチ2010」この本にハマったら次はコレ!繋がり


注文の多い料理店宮沢賢治
→『星の王子さまサンテグジュペリ
→『汚れちまった悲しみに……』中原中也
→『二十億光年の孤独』谷川俊太郎
→『人間失格太宰治
→『こころ』夏目漱石
→『機関車先生伊集院静
→『白い手』椎名誠
→『岳物語椎名誠
→『十五少年漂流記ジュール・ヴェルヌ
→『空をつかむまで』関口尚
→『永遠の出口』森絵都
→『夜の朝顔豊島ミホ
→『たいのおかしらさくらももこ
→『ももこの話さくらももこ
→『漢方小説』中島たい子
→『愛してよろしいですか?』田辺聖子
→『オー・マイ・ガア!』浅田次郎
→『本当はちがうんだ日記』穂村弘
→『異国トーキョー漂流記』高野秀行
→『夏から夏へ』佐藤多佳子
→『いつか白球は海へ』堂場瞬一
→『映画篇』金城一紀
→『でかい月だな』水森サトリ
→『夏と花火と私の死体』乙一
→『少年少女漂流記』古屋×乙一×兎丸
→『ネバーランド恩田陸
→『いちご同盟三田誠広
→『永遠の放課後』三田誠広
→『君に届け1』下川香苗
→『明日の約束』村山由佳
→『マリア様がみてる今野緒雪
→『恋のトビラ』
→『ベリーショート』谷村志穂
→『青のフェルマータ村山由佳
→『蛇行する川のほとり』恩田陸
→『ハニー ビター ハニー』加藤千恵
→『あなたへの日々』唯川恵
→『小悪魔A』蝶々
→『グラビアの夜』林真理子
→『蛇にピアス金原ひとみ
→『娼年石田衣良
→『肩ごしの恋人唯川恵
→『1ポンドの悲しみ』石田衣良
→『昔の恋人』藤堂志津子
→『ていごの花の下に』池永陽
→『ダーティ・ワーク』絲山秋子
→『ジャージの二人長嶋有
→『なつのひかり』江國香織
→『初恋温泉』吉田修一
→『美晴さんランナウェイ』山本幸久
→『家日和』奥田英朗
→『東京バンドワゴン小路幸也
→『スタンド・バイ・ミー小路幸也
→『トラちゃん』群ようこ
→『はるがいったら』飛鳥井千砂
→『海を抱く BAD KIDS』村山由佳
→『ショートソング』枡野浩一
→『ハナシにならん!』田中啓文
→『正義のミカタ』本多孝好
→『終末のフール』伊坂幸太郎
→『MOMENT』本多孝好
→『こちら救命センター』浜辺祐一
→『救命センターからの手紙』浜辺祐一
→『精神科ER』備瀬哲弘
→『がんばらない』鎌田實
→『寂聴仏教塾』瀬戸内寂聴
→『行動することが生きることである』宇野千代
→『幸福論』アラン
→『「捨てる力」がストレスに勝つ』斉藤茂太
→『鈍感力』渡辺淳一
→『くちぶえサンドイッチ』松浦弥太郎
→『空は、今日も、青いか?』石田衣良
→『そうだったのか!現代史』池上彰
→『そうだったのか!中国』池上彰
→『在日』姜尚中
→『ローマから日本が見える』塩野七海
→『チェ・ゲバラの遥かな旅』戸井十月
→『オリガ・モリソヴナの反語法』米原万里
→『氷娘』カミラ・レックパリ
→『シャーロック・ホームズ傑作選』コナン・ドイル
→『白夜行東野圭吾
→『幻夜東野圭吾
→『悪党たちは千里を走る』貫井徳郎
→『分身』東野圭吾
→『硝子のドレス』北川歩実
→『地下鉄の雨』宮部みゆき
→『回想列車』赤川次郎
→『となり町戦争』三崎亜記
→『失われた町』三崎亜記
→『光の帝国 常野物語』恩田陸
→『マイナス・ゼロ』広瀬正
→『千年樹』荻原浩
→『春日局杉本苑子
→『聞き屋 与平』宇江佐真理
→『銭売り賽蔵』山本一力
→『女櫛』平岩弓枝
→『たけくらべ樋口一葉
→『遠野物語柳田国男
→『銀河鉄道の夜宮沢賢治
→『注文の多い料理店宮沢賢治

こちらは、明らかに同じシリーズ以外、同じ作家は極力連続させない拘りを感じました。病院を舞台にした小説『MOMENT』の次が病院を舞台にしたノンフィクション、だったり、『光の帝国』→『マイナス・ゼロ』といったあたりがいいと思います。
それと今年の「ナツイチ」は、かなりモデルチェンジしてますね。「あ、こんな作品もあったんだ!」な作品・作家が多く、このフェアのメイン対象である学生に向けて、センス溢れるセレクションになっていると感じました。