齋藤智裕『KAGEROU』

KAGEROU

KAGEROU

ポプラ社小説大賞受賞作として話題になった作品。今日一日で全国で何万部が売れたのだろうか? これほど事前の予測に反して売れた小説は珍しいのではないか。
半分興味本位で、そしてもう半分は、「批判するなら買ってきちんと読んで批判しよう」という思いで読んだが、意外にも面白く読めた。著者が言いたいメッセージも上手く取り込まれているし、ラストのオチも良かった。芸能人が書いた、という色眼鏡を通さなくても評価できる作品だと思った。読む価値はある。
すぐに読める軽さは、小説慣れしていない読者層にも読んでもらえる、という意味では利点だが、同時に欠点でもある。軽すぎるのだ。