夏の文庫フェア「次の一冊」つながり2011年バージョン
夏の文庫フェアの小冊子に載っている、「これを読んだら次はこれ」みたいな提案をそのままつなげていくとどうなるか。夏恒例の調査企画、今年の「つながりリスト」を発表します。角川と集英社の2社です(新潮文庫はつながり提案なし)。
まずは角川文庫「発見!角川文庫2011」から。
ループ1:
モンゴメリ『赤毛のアン』
→モンゴメリ『青い城』
→オー・ヘンリー『最後の一葉』
→浅田次郎『霧笛荘夜話』
→松本清張『蔵の中』
→松本清張『松本清張の日本史探訪』
→司馬遼太郎『司馬遼太郎の日本史探訪』
→トマス・ブルフィンチ『ギリシア・ローマ神話』
→三浦しをん『月魚』
→あさのあつこ『バッテリー』
→あさのあつこ『晩夏のプレイボール』
→恒川光太郎『夜市』
→東野圭吾『夜明けの街で』
→東野圭吾『鳥人計画』
→東野圭吾『探偵倶楽部』
→松岡圭祐『万能鑑定士Qの事件簿1』
→風野真知雄『妻は、くノ一』
→鳥羽亮『流想十郎蝴蝶剣』
→勝海舟『氷川清話』
→ニーチェ『若き人々への言葉』
→矢野健太郎『数学物語』
→三宅泰雄『空気の発見』
→阿刀田高『新しい古事記』
→加地伸行『中国の古典 論語』
→吉田兼好『日本の古典 徒然草』
→紫式部『全訳 源氏物語1』
→紫式部『全訳 源氏物語2』
→紫式部『日本の古典 源氏物語』
→恩田陸『チョコレートコスモス』
→姫野カオルコ『ツ、イ、ラ、ク』
→山本文緒『恋愛中毒』
→桜庭一樹『少女七竈と七人の可愛そうな大人』
→川端康成『伊豆の踊子』
→宇江佐真理『雷桜』
→白石一文『私という運命について』
→江國香織『泣く大人』
→田辺聖子『人生は、だましだまし』
→神谷恵美子『神谷恵美子日記』
→トルストイ『新版 人生論』
→キューブラー・ロス『人生は廻る輪のように』
→湯川秀樹『旅人』
→水木しげる『私はゲゲゲ』
→畠中恵『つくもがみ貸します』
→畠中恵『ゆめつげ』
→岩井恭平『サマーウォーズ』
→筒井康隆『時をかける少女』
→星新一『地球から来た男』
→柳広司『ジョーカー・ゲーム』
→柳広司『トーキョー・プリズン』
→森村誠一『悪魔の飽食』
→遠藤周作『海と毒薬』
→貴志祐介『青の炎』
→重松清『疾走』
→三浦綾子『氷点』
→E・ブロンテ『嵐が丘』
→エレナ・ポーター『少女パレアナ』
→モンゴメリ『赤毛のアン』
ループ2:
中島敦『李陵・山月記』
→安克昌『心の傷を癒すということ』
→サン=テグジュペリ『星の王子さま』
→ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』
→香月日輪『僕とおじいちゃんと魔法の塔1』
→宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』
→京極夏彦『豆腐小僧双六道中ふりだし』
→ラフカディオ・ハーン『怪談・奇談』
→柳田国男『遠野物語』
→木原浩勝・中山市朗『新耳袋 第一夜』
→小池真理子『墓地を見おろす家』
→小川洋子『刺繍する少女』
→芥川龍之介『羅生門・鼻・芋粥』
→芥川龍之介『蜘蛛の糸・地獄変』
→太宰治『走れメロス』
→太宰治『人間失格』
→中勘助『銀の匙』
→夏目漱石『坊っちゃん』
→灰谷健次郎『兎の眼』
→石田衣良『5年3組リョウタ組』
→壷井栄『二十四の瞳』
→フランツ・カフカ『変身』
→江戸川乱歩『人間椅子』
→森鷗外『山椒大夫・高瀬舟・阿部一族』
→中島敦『李陵・山月記』
ループ3:
夏目漱石『こころ』
→石田衣良『美丘』
→大崎善生『アジアンタイムブルー』
→すずらんの会『電池が切れるまで』
→サムエル・ウルマン『青春とは、心の若さである』
→荒俣宏監修『知識人99人の死に方』
→郡司ななえ『ベルナのしっぽ』
→大島弓子『グーグーだって猫である1』
→赤川次郎『三毛猫ホームズの推理』
→コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』
→佐藤雅美『町医 北村宗哲』
→海堂尊『螺鈿迷宮』
→内田康夫『天河伝説殺人事件』
→ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』
→楡周平『フェイク』
→藤原伊織『テロリストのパラソル』
→フレデリック・フォーサイス『アフガンの男』
→山田風太郎『甲賀忍法帖』
→高山由起子『源氏物語 千年の謎』
→米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』
→『きみが見つける物語 スクール編』
→はやみねかおる『僕と先輩のマジカルライフ』
→神永学『心霊探偵八雲1』
→神永学『コンダクター』
→初野晴『退出ゲーム』
→米澤穂信『氷菓』
→山田悠介『パズル』
→山田悠介『ライヴ』
→山田悠介『パーティー』
→夏目漱石『こころ』
ループ4:
池上永一『テンペスト』
→金城一紀『GO』
→金城一紀『SPEED』
→有川浩『図書館戦争』
→有川浩『図書館内乱』
→朱川湊人『わくらば日記』
→V.S.ラマチャンドラン『脳のなかの幽霊』
→内田樹『疲れすぎて眠れぬ夜のために』
→三島由紀夫『不道徳教育講座』
→西原理恵子『できるかな』
→高杉良『青年社長』
→矢口史靖『ウォーターボーイズ』
→森絵都『DIVE!!』
→はらだみずき『サッカーボーイズ』
→山中恒『ぼくがぼくであること』
→奥田英朗『サウスバウンド』
→影山民夫『遠い海から来たCOO』
→飴村行『粘膜蜥蜴』
→ジョージ・オーウェル『動物農場』
→井沢元彦『英傑の日本史 新撰組・幕末編』
→池上永一『テンペスト』
ループ5:
森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』
→岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』
→貴志祐介『黒い家』
→永瀬隼介『閃光』
→池波正太郎『西郷隆盛』
→司馬遼太郎『豊臣家の人々』
→司馬遼太郎『新撰組血風録』
→万城目学『鴨川ホルモー』
→森見登美彦『四畳半神話大系』
→森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』
ループ6:
川崎草志『長い腕』
→伊岡瞬『いつか、虹の向こうへ』
→横溝正史『八つ墓村』
→柴田よしき『RIKO』
→黒川博行『悪果』
→馳星周『不夜城』
→大沢在昌『感傷の街角』
→川崎草志『長い腕』
ループ7:
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
→宮沢賢治『セロ弾きのゴーシュ』
→アンデルセン『絵のない絵本』
→宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
ループ8:
雫井脩介『クローズド・ノート』
→大森望編『不思議の扉 時をかける恋』
→『きみが見つける物語 恋愛編』
→林真理子『葡萄が目にしみる』
→雫井脩介『クローズド・ノート』
ループ9:
中村航『僕の好きな人が、よく眠れますように』
→山本文緒『ファースト・プライトリティー』
→群ようこ『二人の彼』
→角田光代『幸福な遊戯』
→中村航『僕の好きな人が、よく眠れますように』
ループ10:
パウロ・コエーリョ『アルケミスト』
→関野吉晴『グレートジャーニー』
→ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』
→パウロ・コエーリョ『アルケミスト』
ループ11:
白輪剛史『動物の値段』
→西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』
→城山三郎『価格破壊』
→黒木亮『巨大投資銀行』
→黒木亮『トップ・レフト』
→白輪剛史『動物の値段』
ループ12:
夢野久作『ドグラ・マグラ』
→夢野久作『少女地獄』
→歌野晶午『世界の終わり、あるいは始まり』
→夢野久作『ドグラ・マグラ』
ループ13(冷静と情熱ループ):
辻仁成『冷静と情熱のあいだBlu』
←→江國香織『冷静と情熱のあいだRosso』
ループ14(コクリコ・ループ):
高橋千鶴『コクリコ坂から』
→宮崎駿『脚本 コクリコ坂から』
→高橋千鶴『コクリコ坂から』
ループ15(伊坂・恩田ループ):
伊坂幸太郎『グラスホッパー』
→恩田陸『ドミノ』
→伊坂幸太郎『グラスホッパー』
ループ16(寺山ループ):
寺山修司『ポケットに名言を』
→宮本延春『オール1の落ちこぼれ、教師になる』
→寺山修司『ポケットに名言を』
うーん……正直言っていいですか……つまんないです。
これほどバラバラな感じになったのは、この調査をしてて初めての経験でした。「冷静と情熱ループ」とか「コクリコ・ループ」とか、もうこの2冊しか読むな、ってことでしょうか。。
『海と毒薬』→『青の炎』→『疾走』つながりとか、おおっ、と思わせてくれるものも多少あるだけに、余ったものの扱い方が残念で仕方ありません。
続いて集英社「ナツイチ」です。(『はちノート』のみリンクなし)
夏目漱石『夢十夜・草枕』
→本多孝好『MOMENT』
→橋本紡『九つの、物語』
→伊坂幸太郎『終末のフール』
→赤川次郎『午前0時の忘れもの』
→中島京子『平成大家族』
→小路幸也『東京バンドワゴン』
→小路幸也『マイ・ブルー・ヘブン』
→奥田英朗『家日和』
→角田光代『マザコン』
→山本幸久『笑う招き猫』
→群ようこ『働く女』
→酒井順子『おばさん未満』
→さくらももこ『もものかんづめ』
→さくらももこ『さくら日和』
→高野秀行『腰痛探検家』
→奥田英朗『真夜中のマーチ』
→秋元治原作『小説こちら葛飾区亀有公園前派出所』
→逢坂剛『おれたちの街』
→東野圭吾『黒笑小説』
→宮部みゆき『地下街の雨』
→東野圭吾『分身』
→三崎亜記『鼓笛隊の襲来』
→乙一『夏と花火と私の死体』
→乙一『ZOO』
→『短編復活』
→北方謙三『水滸伝1』
→北方謙三『楊令伝1』
→浅田次郎『王妃の館』
→ルブラン『奇巌城』
→吉田修一『あの空の下で』
→鎌田實『なげださない』
→斉藤茂太『人生がラクになる心の「立ち直り」術』
→備瀬哲弘『精神科ER 鍵のない診療室』
→浜辺祐一『こちら救命センター』
→遠藤周作『ぐうたら社会学』
→渡辺淳一『鈍感力』
→小川洋子『科学の扉をノックする』
→広中平祐『生きること学ぶこと』
→姜尚中『在日』
→池上彰『池上彰の大衝突』
→池上彰『そうだったのか!現代史』
→レイチェル・カーソン『失われた森』
→ジョン・クラカワー『荒野へ』
→夢枕獏『神々の山嶺』
→野口健『確かに生きる』
→木内昇『新撰組 幕末の青嵐』
→志賀直哉『清兵衛と瓢箪・小僧の神様』
→椎名誠『岳物語』
→森絵都『永遠の出口』
→三田誠広『いちご同盟』
→みゆ『通学電車』
→原田宗典『十七歳だった!』
→関口尚『プリズムの夏』
→本多孝好『正義のミカタ』
→関口尚『君に舞い降りる日』
→太宰治『人間失格』
→夏目漱石『こころ』
→夏目漱石『坊っちゃん』
→開高健『知的な痴的な教養講座』
→堂場瞬一『8年』
→東野圭吾『あの頃ぼくらはアホでした』
→枡野浩一『僕は運動おんち』
→早見和真『ひゃくはち』
→恩田陸『ネバーランド』
→長野まゆみ『鳩の栖』
→谷崎潤一郎『谷崎潤一郎マゾヒズム小説集』
→石田衣良『娼年』
→石田衣良『逝年』
→『恋のトビラ』
→村山由佳『おいしいコーヒーのいれ方 消せない告白・凍える月』
→唯川恵『さよならをするために』
→唯川恵『瑠璃でもなく、玻璃でもなく』
→田辺聖子『九時まで待って』
→瀬戸内寂聴『寂聴仏教塾』
→川上弘美『風花』
→江國香織『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』
→宇野千代『行動することが生きることである』
→逢坂剛『しのびよる月』
→加藤千恵『さよならの余熱』
→小池真理子『午後の音楽』
→荻原浩『さよならバースデイ』
→石田衣良『スローグッドバイ』
→森鷗外『舞姫』
→岡本敏子『奇跡』
→アラン『幸福論』
→サンテグジュペリ『星の王子さま』
→中村航『夏休み』
→宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
→柳田国男『遠野物語』
→夏目漱石『夢十夜・草枕』
こちらは見事、一つの大きな輪が完成していました。調べる途中で、これは一つになってるな、と直感できたので、安心の結果になりました。
同じ著者は連続するところも多少ありますが、なるべくワンクッション措こうとしている姿勢など、好感が持てます。長野まゆみ→谷崎潤一郎→石田衣良、あたりの展開がグッときました。