2012年5月に読んだ本(Powered by 読書メーター)

ほとんど月一回、読書メーターのまとめのための更新になりつつありますが、記録として残すためですのでご了承ください。


5月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2095ページ
ナイス数:70ナイス

きみはいい子 (一般書)きみはいい子 (一般書)
全ての人の心に必ず突き刺さる作品集。最初の「サンタさんが来ない夜」からして強烈な読後感を残すが、私は「うばすて山」に、自分を少し重ね合わせる部分を感じてしまい、ヤバかった。非常に重いテーマばかりだが、読む意義と意味のある作品だろう。少しでも多くの方の手に届いて欲しいし、我々書店員も多くの方に届けるべき作品である。
読了日:05月24日 著者:中脇 初枝
玩具店の英雄 座間味くんの推理玩具店の英雄 座間味くんの推理
最初のうちこそ気軽な気持ちで読んでいたが、段々と「このシリーズはすげえ!」と気付いてきて、あとはのめり込んで一気読みだった。単純に見えた事件が「座間味くんの視点」でガラリと様相が変わる展開は、見事に決まれば決まるほど快感である。表題作や「襲撃の準備」「住宅街の迷惑」あたりが特に傑作。
読了日:05月17日 著者:石持 浅海
綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー(3)綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー(3)
このシリーズは本格への二人の愛が溢れていていて、読んでいて幸せな気持ちになる。偉大な先人に対する最大限の敬意も感じられる。作品セレクトも絶妙で、本格ミステリの素晴らしさを改めて再認識した。
読了日:05月12日 著者:綾辻 行人,有栖川 有栖
起終点駅(ターミナル)起終点駅(ターミナル)
本当にすごい小説に出会うと、途中や序盤でも「これは傑作だ!」と感じることがあるが、まさにこれはその典型的な作品。途中で身震いするほど の衝撃が走った。「無縁」の「縁」をテーマにした連作集で、人の孤独と、人と人との繋がりを同時に感じさせる。ある短編に登場するフレーズ「ふたりだけれどひとりだった。ひとりだけれど、ふたりだった」が全てを言い表していると思う。桜木さんの本格ブレイクが始まると確信した。これを読まないのは勿体無いと断言したい。
読了日:05月07日 著者:桜木 紫乃
誰がための刃 レゾンデートル誰がための刃 レゾンデートル
全体的に都合良すぎる展開なのが気になったが、リーダビリティが高くて一気読み出来る。サスペンス性も充分で、ラストにはそれなりに意外性もあり、これだけ楽しませてくれれば新人賞としてはレベル高いだろう。いろんなタイプのミステリが書けそうな作家ではないかと思った。
読了日:05月05日 著者:知念 実希人
黄色い部屋はいかに改装されたか?増補版黄色い部屋はいかに改装されたか?増補版
佐野洋との「名探偵論争」を生んだことで有名な作品で、その部分も補完されているが、それだけでなく全般的に読み応えのある評論集。『グリーン家殺人事件』と『Yの悲劇』の関係性の指摘は興味深い。「私の推理小説作法」では短編「ジャケット背広スーツ」が出来るまでを克明に書いていて面白い。また、ピーター・ラヴゼイが新人として紹介されるあたりに時代を感じさせる。
読了日:05月01日 著者:都筑 道夫

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