2012年6月の読書メーターまとめ

すみません、今日で7月も終わりなので、今更ながら調整更新です。
6月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3041ページ
ナイス数:64ナイス

クローバー・レイン (一般書)クローバー・レイン (一般書)
これは素晴らしい作品ではなかろうか。一冊の本が出来るまでに、これほどの苦労があり、そしてそれを打ち砕くほどの「想い」がある。このような形で世に出た作品は現実にもきっとたくさんあるはずだ(具体的に連想した本もある)。本に携わる人なら必読、そして本が好きな人にも、普段手にしている「本」への意識が変わるほどの力を持つ作品だと思う。
読了日:06月26日 著者:大崎梢
トラップ・ハウストラップ・ハウス
石持さんの得意ネタであるクローズドサークルもの。トラップのほとんどが画鋲、っていうのは妙なリアリティがある。仕掛け人は誰か、みんなどうなるのかが気になって一気読みできる小説だが、全体的にやや浅い気がするのが残念。
読了日:06月20日 著者:石持浅海
光
期待通りのクオリティで読ませる作品集。この登場人物たちのキラキラするような思い出の数々がとても羨ましい。クライマックスの持って行き方にドキドキし、伏線の回収とラストに感動する。エピローグからラストまでの展開も心憎いばかりだ。またしても道尾さんが新たなステージに立ったと思える小説。
読了日:06月18日 著者:道尾秀介
メディアを語る (別冊思想地図β ニコ生対談本シリーズ#2)メディアを語る (別冊思想地図β ニコ生対談本シリーズ#2)
たまたま立ち読みした時に、濱野さんパートのAKB論と聖地巡礼のトピックが目に入ったので購入。でもどれも面白かった。川上さんパートの「源氏物語非モテ女子が書いたラノベだった」など、興味深いトピックもいくつかあった。
読了日:06月15日 著者:川上 量生,宇川 直宏,濱野 智史,東 浩紀
二十五の瞳二十五の瞳
二十四の瞳」をメインモチーフにしながら、サブカルネタや史実をふんだんに取り入れてごった煮にしたような小説。第一話の小豆島買収話からして異様なまでに面白く、そのまま最後まで引っ張られる感じ。元ネタが分かれば分かるほど面白いはず。
読了日:06月14日 著者:樋口 毅宏
灯籠 (ハヤカワ文庫JA)灯籠 (ハヤカワ文庫JA)
広島の盆灯籠を題材にしたファンタジックな作品。タレントが書いた小説、という色眼鏡で見なくても、充分雰囲気が出ており、切ない気持ちにさせてくれる秀作。将来性のある作家だと思う。個人的には、広島弁だけでなく、もっと広島らしい描写があれば親近感が沸いたので、そこが残念だと思った。
読了日:06月11日 著者:うえむらちか
オカルト「超」入門 (星海社新書)オカルト「超」入門 (星海社新書)
タイトル通りに、世のオカルトネタの歴史をざっくりまとめた本。昔から何も変わっていないことにも驚くが、あの説がどんなタイミングで流行りどう広がったかなど、歴史を俯瞰することの意義を感じる。個人的には「ファティマ第三の秘密」が懐かしすぎた(もう誰も何も言わないもんね)。
読了日:06月11日 著者:原田 実
鉄道と国家─「我田引鉄」の近現代史 (講談社現代新書)鉄道と国家─「我田引鉄」の近現代史 (講談社現代新書)
道路もそうだが、鉄道のような国家的インフラには少なからず政治家の影響を受けるものである。田中角栄が自ら赤線を入れて路線が決まった上越新幹線中央本線の「大八廻り」、大船渡線の「ナベヅル路線」、岐阜羽島駅日本列島改造論の一環として赤字路線を大量に作った田中角栄など、政治家と鉄道の歴史を纏めている。日本一の赤字ローカル線・美幸線を復活させようとした町長の奮闘ぶりが印象深い。
読了日:06月06日 著者:小牟田 哲彦
ラバー・ソウルラバー・ソウル
大傑作! 顔のハンディキャップのために世間を遮断して生きてきた男がある事件をきっかけにモデルの女性が好きになり、近寄る男を次々に排除していく……。あまりにも典型的なストーカー小説だが、井上夢人がそれで終わらせるわけがない。高度なミステリの手法を駆使した離れ業に成功している。読み始めると先が気になって一気読み必至。タイトル・章題におけるビートルズとの関連性も納得。ミステリ性とドラマ性の高い次元での融合は、素晴らしいとしか言いようがない。今年を代表するミステリの一つだ。
読了日:06月03日 著者:井上 夢人
高原のフーダニット高原のフーダニット
カトリックが楽しめる「オノロコ島ラプソディ」、安定したフーダニットの傑作「高原のフーダニット」もいいが、「ミステリ夢十夜」が実は一番楽しかった。
読了日:06月03日 著者:有栖川 有栖

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