アイドルが書いた小説、アイドルを書いた小説、アイドルファンが書いた小説について(主に「乾くるみさん、なにやってんすか」シリーズ)

昔から私のブログや元のサイトを見ていた方ならご存知のとおり、私はかつて「モーヲタ」だったんですよ。このブログでも2000年代の前半では結構、モー娘。ネタの日記を書いてました。
推しメンだった紺野あさ美さんの卒業と共にヲタ卒しました。それが2006年7月24日。もう9年も前になるのですなあ。今の紺野アナウンサーの姿は全く予想してませんでした。
d:id:mmmichy:20060724


もうドルヲタにはなることないだろうな、と思っていたら、総選挙きっかけでまさかのAKBヲタになり、現場参戦きっかけでHKT48に転向して今に至ると。
アイドル話はここでのメインではないので置いといて。


アイドルと読書の関連性は、少しはある、と思います。読書好きを公言するアイドルもいます。AKB48だと、内田眞由美さんや佐藤すみれさんなど、HKT48だと、宮脇咲良さんや田島芽瑠さんはよく読んでいます。HKTメンに読書好きが多いのは、移動時間が長いことが大きな理由の一つだろうと思います。


アイドルが小説を書くケースは本当に珍しいですが、あります。今一番有名なのは、NEWSの加藤シゲアキさんでしょう。元々読書がお好きなようですし、小説もかなり高く評価されており、ただの企画ものではない、このまま「アイドル」と「作家」を両立させていくのだろうな、と思います。
最新の作品は『傘をもたない蟻たちは』

傘をもたない蟻たちは

傘をもたない蟻たちは


AKB48内田眞由美さんもアイドルの恋愛という、ある意味禁断のテーマで小説を発表しています。二作目が出ないようですが、焼肉屋さんの経営が忙しいのでしょうか?ww

言えない恋心 (単行本)

言えない恋心 (単行本)


プロ作家がアイドル世界を書いた小説、といえば、直木賞作家・朝井リョウさんの『武道館』です。朝井さんご本人もハロプロヲタなので、アイドルの内側をかなり深く書かれています。そして、思春期の女の子の気持ちを描くのが朝井さんは本当に上手いですね。

武道館

武道館


さて、ここからが本稿のメイン。
アイドル好きの作家でもう一人紹介したいのが、乾くるみさんです。小説ではアイドルの世界そのものは描いていませんが、乾さんご本人はかなりディープなAKB48ヲタ、しかも公演・コンサート・握手会には一切参戦せず、もっぱら劇場公演のDMM配信を見るだけの在宅ヲタなのです。あまりに好きすぎるがゆえに、作品にこっそりAKBネタを織り込んでしまうのです。登場人物がメンバーのアナグラムだったりするのです。
実例を挙げましょう。最近文庫になった『セブン』収録作「ラッキーセブン」がそうです。

セブン (ハルキ文庫)

セブン (ハルキ文庫)

舞台は「私立曙女子高等学院」→あけぼの→AKBです。
登場人物は、

桐原多絵(きりはらたえ)→北原里英
篠原理沙(しのはらりさ)→指原莉乃
駒田淳恵(こまだあつえ)→前田敦子
榊本亜矢(さかきもとあや)→秋元才加
弥生眉子(やよいまゆこ)→横山由依
鹿島田春(かしまだはる)→島田晴香
岩上千織(いわかみちおり)→市川美織

ちょっとメンバーの名前が古い、と思われるでしょうが、発表が古かったからです。
この短編集には他にも、7分間のタイムリープを7回繰り返すSF小説のタイトルが「TLP49」というのもパロディネタでしょう(登場人物はアナグラムじゃないです)。
まだ単行本になっていない作品にもいくつか曙女子高等学院シリーズがあって、登場人物はAKBメンバーのアナグラムになっています。キャラクターも元の名前のメンバーを想起させる雰囲気になっているので、ファンが読むと面白いと思います。
タイトルは忘れましたが、登場人物が誰のアナグラムか、私もさっぱりわからなくて、散々悩んだ末に、「チーム8」で固められていることに気付いた時のショックが忘れられません。そこまで網羅されているとは!www
AKB系のまとめサイトでもネタになったことがありましたね。
AKB48タイムズ(AKB48まとめ) : 推理作家(乾くるみ)がAKB48の11期メン5人をモデルにした小説を発表 - livedoor Blog(ブログ)


乾くるみさんといえば、イニシエーション・ラブが恐ろしいほどの大ヒットを記録し、映画化されたことも記憶に新しいところです。しかも主演が前田敦子さん、あっちゃんですよ。嬉しいに違いありません。早いところ、曙女子高等学院シリーズを単行本としてまとめて欲しいですね。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)