2015年の震えた本5冊

2016年はブログ更新を頑張りたいと思います。
と、毎年宣言してる気もしますが……。
その年に読んだ本を振り返る企画は本当は去年のうちにやるべきなのですが、まあいろいろありまして、2016年の本格的な更新1発目として、去年の読書振り返りを簡単に紹介してみます。といっても、あんまりだらだらと書いても仕方ないので、「読みながら震えた本」という基準で5冊だけ厳選してみました。


米澤穂信『真実の一〇メートル手前』(東京創元社

米澤さんは長編『王とサーカス』ももちろん凄かったのですが、年末も押し迫って読んだこの短編集に打ち震えましたね。読書メーターの登録ではこれが2015年最後になっています。『王とサーカス』のテーマ性と『満願』の短編の切れを併せ持った作品集だと思いました。


辻村深月『朝が来る』(文藝春秋

軽い気持ちで読んでいたら鳥肌が立ってきた作品。特に後半の壮絶な物語が凄くて、でもただ単に可哀想とも言えない部分が切なくてやり切れなくて……。私はミステリとしても非常に読み応えのある作品だと思ったのですが、年末のランキングにはまったく引っ掛からなくて残念でした。


新保博久『ミステリ編集道』(本の雑誌社

日本ミステリ界を支えてきた編集者たちへのインタビュー集。とにかく伝説級のすごい話のオンパレードで、こういう人たち(と、もちろん作家たち)が、ミステリというジャンルを作り上げてきたんだなあというのが実感できます。今年読んだ本で一番付箋が付いた本でもあります。


篠本634『HKT48成長記 腐ったら、負け』(角川春樹事務所)

すみません、やっぱりこれを入れさせてくださいw
HKT48の歴史をまとめた本ですが、メンバーの発言を多く挿入して、当人たちの成長ぶりがより浮き彫りになる構成になっています。特にセンターポジションをめぐる攻防は、恐らく他のグループよりもずっと熱いと思います。
ただ気になるのは、指原の存在感と影響力の大きさ。とにかくメンバーたちのコメントに「さっしーが〜〜」「さしこちゃんが〜〜」が多い。それだけ指原が凄いことの証しでもあるけれど、いずれ遠くないうちに彼女もグループを去るわけで、そのあとに残った子たちがどうしていくのか、というビジョンを今から考えておいた方がいいと思います。そこにいち早く気付いたメンバーこそが、未来のHKT48を引っ張っていくはずです。


田口幹人『まちの本屋』(ポプラ社

そして最後はやはり、さわや書店・田口さんの本を。地方の書店ができることは何かを常に考えているさわや書店。本屋としての理想の姿がここにあると思います。全ての書店員必読の本であるとともに、自分も何ができるのかを考えなければいけないと思っています。


今年2016年も、いい本に出合えるのを楽しみにしています。