スティーヴン・ホーキング他『ホーキング、宇宙のすべてを語る』

ホーキング、宇宙のすべてを語る

ホーキング、宇宙のすべてを語る

『ホーキング、宇宙を語る』で一世を風靡したのももう一昔以上前になる。「一般にも解り易い宇宙論」として売れまくったが、実は私はよく解らなかった。本書は『ホーキング、宇宙を語る』の改定新版のようなもので、随分と読み易くなっている。CGを使った図版が解り易いのもあるが、何よりも文章がずっとくだけた感じになったと思う。本書は『ファインマンさん 最後の授業』などを書いたレナード・ムロディナウという人との共著になっているが、恐らくこの人のリーダビリティーが高いのではないか。
かつてホーキングは「ブラックホールは蒸発する」理論を提唱していたが、本書ではあまり語られていない。自説を修正したのだろうか。また、これもかつて大ブームだった「超ひも理論」が登場している。これまた常人には理解し難い理論で、一時否定されかかったような憶えもあるのだが、ホーキングが使っているところを見ると、まだ可能性を秘めている理論なのだろう。