「オー!マイDJ」(2004年韓国作品 原題「アンニョン!UFO」)

オー ! マイDJ [DVD]

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家庭相談所に勤める全盲の女性キョンウ(イ・ウンジュ)は、失恋の悲しみから引っ越した。いつも最終バスに乗って帰るのだが、そのバスではラジオ放送がいつも流れている。流暢に語り、ハガキを読み、リクエストに答えるそのDJは、実はこのバスの運転手パク・サンヒョン(イ・ボムス)がDJに憧れて毎晩自分で作っている「架空のラジオ放送」だ。街中でキョンウに会ったサンヒョンは、バスがいつも遅れて困ると文句を言うキョンウに対し、咄嗟の嘘で電気屋を経営しているパク・ピョングだと名乗ってしまった。だがそれからサンヒョンのキョンウへの想いは徐々につのる。ラジオ番組でも彼女の趣味嗜好に合わせていった。ラジオDJ、バスの運転手、電気屋のオーナーと、三つの顔を持つサンヒョンだったのだが……。
サンヒョンのコミカルな側面と、キョンウのシリアスな側面を繋げるのが、「UFOを目撃すれば幸運が訪れる」という迷信と、UFO目撃談に湧く町の人々だ。ただ正直言って、このUFO話との繋がりはちょっと弱いし、そのあたりはぐだぐだなので、あくまでも「触媒」として観るべし。バカバカしい笑いに和みながらも、最後の方は予定調和的な「いい話」に収まっている。
やっぱりイ・ウンジュは美しいし、清楚だ。この作品が一番ピュアかも知れない。イ・ボムスはペナルティーワッキーみたいな顔をしているコメディ俳優だが、とても上手い。脇役ではよく見かけるおじいさん、ピョン・ヒボンが面白い。なお作中でサンヒョンがキョンウに語る嘘エピソード「歌手チョン・イングォンに歌詞をアドバイスしたら指輪をくれた」という話の再現部分で登場するチョン・イングォンは本人らしい。どのくらいのポジションにいる歌手なのかが分からないが、エンドロールでスタッフにサインを求められているシーンがあるところから見て、かなりの大物ロッカーなのだろう。矢沢永吉クラスかなあ。


私が韓国映画の感想を書く際にいつも参考にさせていただいているサイトが主に2つあるので、敬意を表する意味でもリンクしておく。
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韓国映画とハングル
前者は詳しい配役を確認するのにとても参考になる。あらすじも簡潔に纏まっている。今回チョン・イングォンが本人かどうか確認するのに役立った。後者はいつも日本での韓国映画の上映状況の確認に使わせていただいているが、作品紹介も詳しい。ただ最近の映画までフォローされていないのが残念。