「コント55号傑作コント集」

TV局の枠を超えて3局合同企画として発売された2枚組DVDのうち、レンタルにて「フジテレビ編」のみ鑑賞。
いわゆる絶頂期だけでなく、後年になってからのコントが多く収録されているのは、年代記として観る分には面白いが、「傑作コント集」としてはやや物足りない。だが、やはり今観ても充分面白い。
坂上二郎がかつて何かの番組で、コント55号のコントの秘密を語っていたことがあった。それにると、二郎さんは「設定」だけ与えられて舞台に登場、やがて袖から欽ちゃんが出てくるのだが、どういうツッコミをしてくるのか全く判らず、あたふたしながらほとんど即興で進行、そんな咄嗟の台詞からギャグが生まれ、名作コントが誕生していったらしい。これを観ていても、二郎さんの戸惑いぶりがよく分かる。顔じゅう汗だらけのコントだってあるのだ。
最も有名な「机」コントも、恐らく状況設定とオチだけ用意されていたのではないかと思う。これは「ひょうきん族」で明石家さんま片岡鶴太郎が物真似コントとして頻繁にやっていたコントだ。
他には、「歌舞伎役者」コントが最高だった。二郎さんの歌舞伎顔がめちゃくちゃ面白い。
二郎さんといえばもうひとつ、これも片岡鶴太郎がよく真似していた「飛びます、飛びます」があるが、これは入っていなかった。もう一枚の方にはあるのだろうか。あのギャグだけだと状況がほとんど分からないが、あれは確か「航空管制官」のコントで、両手で飛行機を模しているのだが、「いきなり飛ばすと乗客がびっくりするでしょ。ちゃんと教えてあげないと」という趣旨の欽ちゃんのツッコミに、それぞれの手を口に近づけて「飛びます、飛びます」と言っていた、のだったと思う。