梅原潤一『書店ポップ術』

書店ポップ術―グッドセラーはこうして生まれる

書店ポップ術―グッドセラーはこうして生まれる

有隣堂の現役書店員によるPOPの実物と、「POPによって売れた冊数」などの秘密データまで大胆に公開された一冊。発売直前に貫井徳郎さんの日記で知り、取り寄せました。貫井さんの本のPOPもたくさん紹介されています。
買う前に、「梅原さんのPOPって、多分あのタッチのやつだろうな」と推測していた通りのPOPでした。勢いと熱意を感じさせる力強い文字と、目に止まりやすい囲み枠。梅原さんのPOPの多くは各版元がコピーして全国の書店に配ったりしているので、書店員なら「あ、これ使ったことある」と思うはず。全国的に仕掛けられたあの本やこの本も、そのきっかけは梅原さんだった、ということがこの本で分かります。ずっと見ていると、なんとなく文章のパターンは見えてくるし、「この本だったら、私なら違う文句を考えるなあ」というのもあるのですが、実際に売れたデータを突きつけられると、参りましたすみません、となってしまいます。悔しいけれど売れてるんだから、そのPOPの力を認めざるを得ない。単純に見えるコメントも、いろいろ考えた結果だということも分かります。いやあ、勉強になりますよ。書店員はPOP参考書として必読です!