東川篤哉『殺意は必ず三度ある』
- 作者: 東川篤哉
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2006/05/16
- メディア: 新書
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『学ばない探偵たちの学園』のシリーズにあたるが、いつもの東川節が炸裂。最初から緩くて萎えるギャグの嵐で、読者を和ませてくれる。しかし本格部分はしっかりしているので、文体に気を取られていると、重要な伏線を見逃してしまったりして気が抜けないのだ。特にメイントリックは視覚的にも明快かつ巧妙なもので、なるほどと唸らされた。探偵部三人のマニアックでオタクなキャラクターも面白い。ケレン味がないので、読み終わると地味な印象が残ってしまうのが残念だが、この作風では仕方のないところだろう。