小路幸也『東京バンドワゴン』
- 作者: 小路幸也
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/04/26
- メディア: 単行本
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これはいい作品だ。ノスタルジーを感じるのは、著者本人も意識しているように、昭和のホームドラマ(「寺内貫太郎一家」など)を想起させるからだろう。そしてこういう大家族に、誰もが憧れていたはずである。亡くなった勘一の妻・サチの視点で語られていて、彼女が家族全体を優しく包んでいる空気が、もうずるいほど巧い。謎とその解明部分もよく出来ているものばかりだ(「百科事典の謎」が一番いいかな)。どんな揉め事も「LOVEだねぇ」の一言で強引に解決させる我南人には、ずっと内田裕也を思い浮かべながら読んでいた(実際は他に複数のモデルがイメージされているそうだ)。続編を激しく希望する。しぇけなべいべー。
*1:「亰」は京の真ん中に「日」が入る方の字