大倉崇裕『福家警部補の挨拶』
- 作者: 大倉崇裕
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/06/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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帯に大きく「刑事コロンボ、古畑任三郎の系譜」とあるように、倒叙形式の短編集。そんなにコロンボとかを引き合いに出さなくても、と思ってしまうが、読むとどうしてもコロンボを想起してしまうので、仕方がなかったところか。もっとも著者のコロンボ好きはファンには有名で(コロンボの翻訳も何作か担当している)、本作の執筆にもコロンボ研究家・町田暁雄氏が協力しているそうだ(小山正の解説による)。そのためか福家警部補は女性なのに、どうしても男性をイメージしてしまう。そのイメージはともかく、作品はそれぞれ周到に作られており、福家警部補と犯人の名勝負を存分に楽しむことが出来る。個人的には上に紹介した「最後の一冊」の犯人像が好きかな。