「月刊PLAYBOY」2007年1月号

PLAYBOY (プレイボーイ) 日本版 2007年 01月号 [雑誌]

PLAYBOY (プレイボーイ) 日本版 2007年 01月号 [雑誌]

ミステリー特集のため購入(私はどうも、パツキンでオパーイの大きなお姉さんは生理的に受け付けない)。
大森望豊崎由美北上次郎が選ぶ「この10年で最も面白いミステリー100」、太田光が選んだミステリー10冊、大森望千街晶之杉江松恋による「『このミス』予想」など。
この雑誌を読んだ人は、まず間違いなく古川日出男のファンになるであろう。
『アラビアの夜の種族』が「10年ベスト」国内編で堂々の1位に輝いただけでなく、太田光も1位に挙げている。

太田 冒頭でいきなり、その物語を読むと相手が戦う意欲を失ってしまうくらい途轍もなく面白い物語が、いままさにここで書かれている、という宣言で始まる話なんです。
宣言されたとおりの面白さを読者に感じさせられなかったら、あとでどれくらい突っ込まれるかわかっているのに、作者が一か八かの勝負にあえて挑戦しているのがすごいと思った。よっぽど自信があったんでしょうけど、あそこまで言い切ってくれると、物語への興味がガーッと高まりますよね。
実際に読んでみたら、予告どおり、ほんとうに面白い話でした。

そして古川日出男本人のインタビュー記事が凄い。ここまで自作に自信を持ったことが喋れて、それを万人に納得させてしまえるのは、古川日出男しかいないのではないかとさえ思う。カッコいいっす。

『アラビア』はウイルス的に増殖して、無限に広がってほしい本なので、賞をいただいたおかげで本が売れるのがなによりうれしかった。でも、『アラビア』がほめられたとき、どこかで、「あ、やっぱりな」と思う気持ちもあったんですよ。誰もが「これ、すごいよね」って言って終わってしまうことに危機感もあって。なかなか追いついて来られないくらい、新しくすごいものを書いて、「これはすげー!」って言われるのが、作家の俺にとってはいちばんうれしいんです。まあ、やりますよ。