上村卓夫『書店ほどたのしい商売はない』

書店ほどたのしい商売はない

書店ほどたのしい商売はない

書店が大規模化していく現状の中、首都圏で100坪前後の店ながら、ユニークな品揃えで大書店に対抗する「書原」の社長、上村氏がノウハウ・考えをインタビュー形式で大胆に公開した一冊。「新刊書という「点」、既刊書という「線」、常備という「面」で平台や棚を埋めている」、「出版社は川上だが大雨、取次店はダムだが放流、書店は川下だが洪水だ」などの上手い例えを挙げながら、中小書店が生き残るための見せ方など、参考になる記述が多い。写真も多く、テーマでの品揃え方法など興味深い。また、POS全盛で全てをデータで見る昨今にあって「売上げスリップ」を重視、これとこれは同じ人が買ったはずだ、という推測から追加数・展開方法を考える。作業は「観察」から始まり、「疑問」、「連想」があって「考察」、最後に「補充」がある、という流れもなるほどと思った。