コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』

ザ・ロード

ザ・ロード

今年話題のSFのひとつをようやく読んだ。噂にたがわず、素晴らしい作品だった。
荒涼として世界で、どこまでともなく歩き続けながら、息子に生き延びるための術を淡々と教える父。瀕死の人ですら、助けている余裕はないのだ。そして敵も多い。父子の対話のひとつひとつが胸に沁みる。息子の「わかった」という言葉に、計り知れないほどの重みを感じる。