歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0』

密室殺人ゲーム2.0 (講談社ノベルス ウC-)

密室殺人ゲーム2.0 (講談社ノベルス ウC-)

あの『密室殺人ゲーム王手飛車取り』をどう続けるのか、疑問を持ったまま読み始めたが、前作同様の世界が進行する。中盤で、なるほどそういうことか、と分かる。相変わらず、完全にゲームとしての殺人が描かれるので、反則スレスレなネタが連続しており、その破天荒振りが楽しい。「切り裂きジャック三十分の孤独」のバカトリック、「密室よ、さらば」の驚愕の真相が傑作。ただ、やっぱり前作を読んでから読むべきだろう。「SAW」を観ていない人が「SAW2」を観てはいけないのと同じことだ。