伊坂幸太郎『オー!ファーザー』

オー!ファーザー

オー!ファーザー

伊坂幸太郎の第一期を締め括る一冊らしい(第二期は『ゴールデンスランバー』から始まっている)。ここ最近の、『あるキング』『SOSの猿』での試行錯誤に困惑した読者には「かつての伊坂が帰ってきた」と絶賛で迎えられている。
確かに楽しいし、クライマックスでの伏線の回収は相変わらず鳥肌が立つほど素晴らしい。しかし個人的には、前半がやや退屈に思えた。「お父さんが4人いる」という設定のコメディホームドラマを淡々と見せられているような感じがしたからだ。そこに伏線が張られているので、後半で一気に盛り上がることになるのだが。
これも是非とも映像化、できれば映画化を希望したい作品だ。