「本の雑誌」2011年8月号は読みどころ満載だ

本の雑誌338号

本の雑誌338号

本の雑誌」の8月号は面白い特集と記事に溢れている。素晴らしい。
・「私のオールタイムベストテン」(4ページ)は堀井憲一郎さん。あの「ずんずん調査」節が炸裂している(週刊文春の連載が終わったことが残念で仕方がない)。
・「2011年上半期ベスト1」(8ページ)恒例の企画。上半期一位はなんと『ジェノサイド』。書店員の間でも評判が高く、来年の本屋大賞の有力候補の一つ。だけでなく、「このミス」1位とか「推理作家協会賞」なども可能性あると思う。とかいう前に直木賞候補になってしまった。明日の結果は、さてどうなるか。
ジェノサイド

ジェノサイド


あと上半期ベストを読んでいて、小川洋子人質の朗読会』が気になった。

人質の朗読会

人質の朗読会



・「図書カード三万円使い放題!」(24ページ)は辻村深月さん登場。出産直前の辻村さんが選ぶのは絵本などの他、なんと楳図かずお『洗礼』、そしてなんとなんと、AKB48関連の本まで!

昨年、毎日新聞で連載していたルポで取材して以来、彼女たちのすごさに圧倒されていた私。もちろん推しメンだっている。ああ、私も語りたかった、すごい、あの人もこの人も書いてる……

AKB48 推し! (別冊宝島) (別冊宝島  カルチャー&スポーツ)

AKB48 推し! (別冊宝島) (別冊宝島 カルチャー&スポーツ)



・「特集 地図は楽しい!」(66ページ)も好きな特集だ。古地図大好き。
・「ベストセラー温故知新」(入江敦彦 106ページ)今号の「本の雑誌」で最も面白かった記事。

82年最大のヒット書籍『積木くずし』は、日本の出版史を振り返ったとき、累計300万部という“高さ”以上に、その、あれよあれよ感と、なんで売れてんのかよく解んない感を伴う象徴的な蟻塚現象だったといえよう。

ただの「懐かしベストセラー分析」ではなく、きちんと読んで評価した上で、その後に書かれた続編も全てフォローしている。特に三作目『積木くずし 崩壊 そして…』の展開があまりにも衝撃的だ。必読。