書店は今、空前の「沼田まほかるブーム」である
実は今、書店の店頭では、空前の「沼田まほかるブーム」である。
沼田まほかるさんは、2004年に『九月が永遠に続けば』でホラーサスペンス大賞を受賞されてデビューした。「まほかる」なる不思議な語呂の名前は、一度聞いたら忘れられないと思う。
デビュー当時から評価は高い作家だったが、一般的な大ヒットには縁がなかったと思う。
しかし、今年になって、過去の文庫作品が立て続けに重版を重ねる大ヒット。その勢いは今も止まらない。いや、今がまさにブームの真っ只中にあると言ってもいい。今、沼田まほかるさんの文庫作品を展開されていない書店さんは、ブームに取り残されている、と言っても過言ではない。
きっかけははっきりしている。双葉社の今年の新刊『ユリゴコロ』だ。
- 作者: 沼田まほかる
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2011/04/02
- メディア: 単行本
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- 作者: 沼田 まほかる,ヌマタ マホカル
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2010/09/16
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ここまでは、『ユリゴコロ』と沼田まほかるさんを知っていただくために『猫鳴り』も売りたい、という双葉社の作戦が見事当たったのである。
そしてこの流れを察知して、他社が追随し始めた。
新潮社がデビュー作『九月が永遠に続けば』を、幻冬舎が『彼女がその名を知らない鳥たち』を、それぞれ仕掛けだした。どちらも新しい帯をつけた。『九月が永遠に続けば』は、例の「第1位」を謳っているが、これは、「おすすめ文庫王国2008」国内ミステリー部門の、「第1位」である。そして今、沼田まほかる作品で最も勢いがあるのが、この『九月が永遠に続けば』である。
- 作者: 沼田まほかる
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/01/29
- メディア: 文庫
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『彼女がその名を知らない鳥たち』は「限りなく不愉快、でもまぎれもない最高傑作」とのコピーが載っている。裏には4人の書評家による推薦コメントが並んでいる。これも巧い。
- 作者: 沼田まほかる
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/10/01
- メディア: 文庫
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この3点の文庫と『ユリゴコロ』で、今年最も注目度が増した作家は、間違いなく、沼田まほかるさんになるのではないだろうか。
ちなみに私は、何となく読む機会がなく、読まず嫌いの作家の一人である。『ユリゴコロ』は読んだが、実はあまり乗れなかったので、個人的な印象はあまり良くない。これも相性かなあと思う。